果実酒まとめ

 

毎年、梅雨の時期になると果実酒を作りたくなります。

作ったやつの記録とか、周辺知識の整理ページです。梅酒関係多め。

 

つけ置き法

基本レシピ

・梅                                  …1 kg、1,000円

・酒(40°)                  …1.8 L、1,500~3,000円

・砂糖(氷砂糖)          …500~800 g、400円

・びん(4 L)                 …1,000円

 梅をよく洗い、ヘタを串で取り除く。その後、梅についた水分をキッチンペーパーでよく拭いて乾燥させる。水気を取るのは、梅酒をつけ置く期間に腐らせないために重要だ。瓶に梅-氷砂糖-梅-氷砂糖......の順に梅と氷砂糖を積層させて配置し、その上から静かに酒を注ぐ。なぜ梅と砂糖を交互に置くのかは不明。結局ごちゃまぜになるし。

 三ヶ月ほどで梅酒っぽくなり、半年経てばだいぶ飲めるようになる。一年待てば美味しい。

 飲むときは水かソーダで半分にわると美味しい。

値段

 原料費の総額3,000~5,000円程度でできる。正確な分量はわからないけど、2 L以上の梅酒ができる。チョーヤの梅酒1 Lが1,000円しないで買えるので、安く済まそうとするならそっちを買ったほうがいい。チョーヤで十分美味しい。

氷砂糖を使うことに関して

 氷砂糖はグラニュー糖などの粉砂糖に比べ、(体積に対する)表面積が小さい。これが何を意味するかというと、それだけゆっくり溶けるということだ。過去二回ほど梅酒をつけたときも、溶け切るのに2ヶ月〜3ヶ月かかったと思う。

 なぜゆっくり溶けるのがいいか? 浸透圧が関係していると言う話が定説になっている。浸透圧とは、半透膜(溶媒を通すが溶質を通さない膜)を隔てて濃度の異なる2種類の溶液が接している時、溶質濃度の低い液体の溶媒から、溶質濃度の高い液体の方へとかかる圧力のこと。この圧力で溶媒が移動する。梅酒の場合は半透膜が梅の果肉の細胞膜で、溶媒が酒になる。溶質は砂糖や梅のエキスになる。梅酒のつけ始めは果肉の中が梅のエキスで満ちているために外より溶質濃度が高く、そのため酒が果肉内に侵入する。砂糖が溶けると梅の外の溶質濃度が高くなるので、酒は梅の外へと移動する。梅のエキスはアルコールに溶けるので、この段階で抽出される。梅の成分を良く酒に移すなら、このようにアルコールを梅の果肉中に入れて出してやらねばならない。

アルコールの度数に関して

 法律上は20°以上を使わなければならないらしい。腐ることを防止するためにも、度数は高いほうが望ましい。ホワイトリカーが35°で、一般的な蒸留酒は40°。

梅の冷凍に関して

 梅を冷凍させてからつける方法もある。いわく、細胞膜が破壊されて梅のエキスが出やすくなるんだとか。

梅の熟度について

 一般的に若い(緑)のほうが酸っぱい味がして、スッキリした飲み口になるという。最近は甘い完熟の梅酒も人気。

 

抽出法

基本レシピ *参考

・梅                                  …1 kg、1,000円

・酒(96°)                  …1 L、3,000~4,000円

・砂糖(グラニュー糖)…500~800 g、400円

・水                                  …1 L

・びん(2 L)                 …1,000円

梅を洗い、よく拭いて水気をとったあとに冷凍させる。びんに酒と梅を入れ、酒を注いで数ヶ月放置(参考元では半年程度)。数カ月後、これとは別に沸騰させた水にグラニュー糖を溶かし、砂糖水を作る。砂糖水が冷めたらこれをつけ置いた酒と合わせ、よく混ぜて冷蔵庫に2〜3日保管する。このとき梅の実は除いておく。

 酒はスピリタスを使う。

 どうやらこのレシピはレモンチェロが元になっているらしい。レモンチェロは皮を酒につけて3日ほどで成分を抽出できるらしいが、梅は大きいためもっと時間が必要そう。

 つけ置く方法とは違い、直接梅の成分を抽出する方針のレシピ。梅の成分を抽出するという目的からも、梅は冷凍させるほうがいいだろう。

 

2017年

梅酒

評価…7/10(結構美味しい)
レシピ(つけ置き法)

青梅…1.8 kg

氷砂糖…800g

ラム酒(Cayo grand club)…2L

感想

自分は甘すぎると思ったが、周りには好評だった。特に女性受けがいい。甘さを控えめにするに砂糖を減らしてもよいが、500gが下限のようだ。

 ラム酒がポイントだったように思う(リカーマウンテンの店員に勧められた)。ネットで調べたところ、テキーラもよいらしい。

 梅の量は一般的なレシピ(酒:梅=1.8:1)よりもかなり多い。より成分が出た?

反省

もう少し砂糖を減らしてもいいかな? ガバガバ飲んで吐いた人がいたため、割ったものを保存しておいたほうがいいかも。甘くするなら完熟梅を使ってもいい。

 

2020

びわ

評価…4/10(そこまで美味しくない)
レシピ(つけ置き)

びわ(長崎県産):240g

砂糖:48g

レモン(皮は除去):一個(100g)

ラム酒(バカルディ白):460g

びん(密封):900ml用

感想

バカルディはそのまま飲むと癖がなくおいしい。ちょっと甘く、後味がすぐ引いてスッキリしている。

 びわに対し酒の量が少ない気がする。濃厚な味になりそうだが、量を作るなら大きめのびんを使った方がよさそうだ。

 一か月後にレモンを取り出す。杏仁豆腐の香り! すごくいい。

 二か月後、少し酸っぱい。だんだん杏仁豆腐の香りが消えてゆく。

 一年後。甘いのか酸いのか分からない味。まずくはないけど美味しくもない。この年に仕込んだもう一つよりは美味しい。水で割ると少し美味しくなる。青いバナナで作ったジュースを薄めたような味。アルコール度数は10°位ありそうだが、感じない。 

反省

 びわを引き上げる時期を間違えた? レモンと同時に引き上げれば杏仁豆腐のいい香りが残ったままだったかもしれない。レモンを入れて酸っぱくなりすぎたのかもしれない。入れなかったら味がしなさそうだけど。

 

びわ酒2(つけ置き)

評価…4/10(そこまで美味しくない)
レシピ

びわ(長崎県産、冷凍):240g

砂糖:50g

レモン(皮は除去、冷凍):一個(100g)

ウォッカ:(サントリーウォッカ):450g

びん(密封):900ml用

感想

ウォッカは味がなく、その代わりアルコール臭さもない。よさそう。

 ネットで梅酒を作る時、冷凍してから漬けると味が抽出できてよいと聞いてびわ酒でも試してみる。凍って果物が膨張した分、ビンの容量が足りなくてウォッカはぎりぎりまで注がなければだめだった。

一か月後にレモンを取り出す。杏仁豆腐の香り!

 そこまで美味しくはない。1年立つと杏仁豆腐の香りは消えた。水で割ると少し美味しくなる。

 

梅酒

評価…9/10(かなり好き)
レシピ(つけ置き)

青梅:1 kg

氷砂糖:500g

ウォッカ(スミノフ):1.5L

びん(4L用)

感想

ウォッカにつけるといいらしい。ウォッカは味がないため、梅の味がよく抽出されるとのこと。青梅を使用。参考にした動画は完熟梅がいいとのことだが、酸い方が好きなので青梅で実行。完熟も小瓶でつくりたいと思う(結局この年は作らなかった)。

 原液だと少しアルコールが熱いが、1:1で割ると美味しい。酸っぱすぎず甘すぎずでちょうどよい感じになる。かき氷の梅シロップがあればこんな感じ? アルコールを感じない。

反省

 水で割ったほうが美味しい。残り僅かになるまで、割らずに原液で飲んでいたため少し損した。

 

2021年

びわ種酒

 評価…これから
レシピ(抽出法)*参考(英語、たまにスパムっぽい広告が出るので注意)

びわ種:68g

びわ:142g(3個)

酒(スピリタス96°):200g≒250 ml

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 びわ種は薄皮に覆われている。皮は、中身とよく密着していて、にんにくの実と皮のくっつき具合に似ている。剥がすとすぐ実が酸化して茶色くなったので、皮は外気から実を守っているのかもしれない。アルコールで実の成分を抽出する効率を上げるため、皮を剥いでから瓶に入れることにした。通常のレシピでは皮のまま実を酒につけているので、皮の有無は味に関係ないと思う。種には毒性があるので、そのまま食べるのは良くないらしい。アルコールにつけると毒が変性して大丈夫との話。

  1. ビン(1L)にスピリタス100gを入れた。
  2. びわ種キッチンペーパーに包み、上からペンチを使ってヒビを入れ、割れ目をきっかけに皮を剥がした後にビンに投入した。

種には白い部分と、一部緑色の部分がある。

  1. ビンにスピリタス100gを入れ、皮を剥がして冷凍しておいたびわ3個を入れた。

酒につけて10分ほどでアルコールが淡黄色に染まった。早い。種はペンチで割った割面の部分は茶色くならない。革を剥がした表面が茶色く酸化している。

つけて4日ほど、匂いは昨年漬けたものと似ているが、アルコールの匂いが強い。

 

みかんチェロ

 評価…これから
レシピ(抽出法)

みかんの皮(平戸夏果):34g

酒(スピリタス96°):200g≒250 ml

水:250 g

ラニュー糖:150 g

 みかんの皮をピーラーで剥いた。この時、皮の表面の黄色い部分のみを削ぎ落とすようにし、白い部分はとらなかった。みかんの皮をびんに入れ、酒を注いだ。

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 皮をつけて3日後に、液体だけを瓶に移した。抽出液の重さは200gで、つける前と変わっていない笑。アルコールが少し飛んだのかな? みかんの皮はパリパリに乾燥していて、そのままでも食べられる。パウンドケーキとかに入れると美味しそう。これを37%グラニュー糖水液と合わせた。合わせると、透明だった抽出液が濁る。

 グラニュー糖と合わせてすぐに飲んでみた感じ、みかんの香りをそのまま飲んでいるみたい。何日か寝かせるとまた味が変わるらしい。今の所、苦味が強くて少ししたが痺れる感じ。

 3日後に飲むと、味がぜんぜん違った。はじめにあった苦味がマイルドになっていた。

 この段階で、計算上は42%程度のアルコール度数(% vol.)になるはず。

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レモンチェロを作るつもりだったけど、レモンと間違えてみかんを買ってしまったので作った。平戸夏果ってブランド名らしくて、そのまま食べると味はオレンジに近い。酸っぱいけど甘さもかなりあって、とても美味しい。3個300円。ちょっと高い。

 

梅酒(抽出)

 評価…これから
レシピ(抽出法)

梅(熟、南高梅):1 kg

酒(スピリタス96°):1 L

梅をよく洗い、ヘタを取って冷凍した。

 

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梅は冷蔵庫で放っておけば追熟できるかな、と思ったけれどあんまり色は変わらない。腐る方に変色してきそうな雰囲気だったので3日で冷凍して仕込みに使った。黄色く熟した梅はスモモのような香りがする。

 つけて10日ほどでコラーゲンのような物ができていることに気づいた。液面に近い、上の方の梅のヘタの部分にできている。一瞬腐ったのかな? と心配になったけど、見た感じはカビというよりもタンパク質のよう。ちょっと不安なので、後で匂いを嗅いでみる予定。

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